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iPad mini が Retina ディスプレイを採用しなかったことに関して、各方面でいろいろと論じられてきているので今更ではあるのだが、あえてその "今更" iPad mini が Retina ディスプレイを採用していないことと、それ自体が iPad mini を購入しない理由にはならない、ということを書いてみたい。

もちろん Retina ディスプレイは素晴らしい

Retina ディスプレイは素晴らしいし、美しい。

そんなこと、Retina の iPad や Mac を使っているユーザーだったら知っている (もっとも、Retina な iPhone ユーザーはそれがあまりにも当たり前すぎて気付いていない場合も多いが) 。

では iPad mini のディスプレイは美しくないのか?

否、美しい。

もちろん、iPad mini にもそのうち・・・そんなに遠くない将来に Retina ディスプレイが搭載されるであろうし、Retina ディスプレイが搭載されれば今以上に iBooks や Newsstand での読書が快適になることに間違いはないだろう。

3万円のネットブックを狂喜乱舞して買った人々

もはや過去のものとなったネットブックではあるが、実はそれらネットブックの当時の販売価格と、iPad mini の 16GB モデルの値段はほとんど一緒だ。寄ってたかってネットブックを購入した人々は、その3万円のマシンにフルサイズの PC を求めたが、果たして美しいディスプレイは求めていただろうか?

ネットブックの解像度は 1024x800 程度であったから、iPad mini の 1024x768 より若干小さい。いや、問題はそこじゃない。解像度ではなく、目で見た時のディスプレイが映し出す映像は、ネットブックなんかに比べたら、iPad mini は雲泥の差をつけてぶっちぎりで美しい。当時のジョブズに言わせれば、ネットブックなんてチープで出来の悪いノートブックだった。しかし iPad mini はチープで出来の悪い iPad ではない。

ネットブックはバッテリーでは2時間程度しか動かなかった。iPad mini は10時間動く。ネットブックは分厚く不格好だった。iPad mini は外観で言ったら歴代 iPad の中で一番スマートに感じる。

iPad mini はネットブックと同じ3万円の中で、これだけ違う価値を作り出したのだ。

手軽に買える値段、手軽に使えるサイズ

最下位モデルでも4万円以上するフルサイズな iPad は、ちょっと手軽に・・・「あ、売ってる、じゃあ買おう」となれる値段ではないかもしれない。それに比べて、iPad mini の3万円を切る (28,800円) 価格だと、ちょっと欲しいと思っていて店頭に在庫があれば (そしてポケットにちょっとお金やクレジットカードなどがあれば) 「じゃあ買っちゃえ!」と、比較的なりやすい価格設定、絶妙な価格設定だ。しかも iPhone 5 のユーザーなら、Wi-Fi モデルでも問題なく外でネットに接続までできてしまう。月額の料金や、2年契約、違約金などは一切気にする必要がない。

愛着を持つことのできるデバイス

人は常に持ち歩くものに愛着を持つ。

iPad mini は、オリジナルの iPad と比べると、例えば電車の中で Newsstand で雑誌を読んでいたり、iBooks で電子書籍を読んでいても、そんなに不自然ではないサイズだ。また、30分くらいの電車移動だったら手に持っていても疲れない重さでもある。カバンの中にも入れやすいサイズだ。つまり、iPad mini は多くのユーザーが外に持ち運んで使うことになる。そして、愛着のあるガジェットとなる。

これは非常に Apple らしい側面でもある。

Apple は個々のユーザーにとって、そのユーザーの Mac はそのユーザーにとって特別なものであると考えているだろう。そしてまた、iPad mini も使う人間にとって非常に特別で愛着の沸くものなのだ。これは非常に大切且ついいサイクルを生み出し、常に持ち歩くことで愛着が生まれ、愛着が沸くことによって常に持っていたくなる。

完成された iPad の洗練された姿

ちょっとスペックに対しても述べておくことにしよう。

iPad mini は iPad 2 をダウンサイジングしたものに過ぎないのではないかとの意見も耳にすることがある。ただ歴代のほぼ全ての iPad を実際に使ってみればわかるのは、初代 iPad はビジョンを形にしたもの、iPad 2 は一旦の iPad としての完成系であったことに気付く。第3世代 iPad は Retina ディスプレイを搭載して、確かにリッチになったが、その代わりにカジュアルに持ち運べる軽さや本体の厚みなどを犠牲にしてしまった。第4世代然り。

そう考えると、完成された iPad であった iPad 2 をスペックをそのまま踏襲しているということは、当然ハードウェアやソフトウェア的なスペックでは同等の完成された体験をすることができるのと同義だ。その上で、持ち運びにさらに便利なサイズになった。これは洗練だろう。

iPad mini が Retina になってしばらくすると、オリジナルサイズの iPad は iPad Classic とか名前を変えて、iPad mini が iPad という名前になってしまいそうな気もしている。

それだけ、iPad mini はコンセプトとしても実際の製品としても完成度が高いのだ。

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