M.ZUIKO 17mm F2.8 に込められたメッセージ - OLYMPUS "PEN" E-P1
タイトルに "M.ZUIKO 17mm F2.8" と記しただけではよほどカメラに興味がある方でない限り、ピンと来ない方も多数いらっしゃるだろう。"M.ZUIKO 17mm F2.8" とは、このブログでも何度か話題として登場している、OLYMPUS のマイクロフォーサーズ規格の単焦点レンズのことだ。このレンズに関して、OLYMPUS の開発チームの語る、ちょっと興味深い記事を見つけたので紹介してみたいと思う。
"M.ZUIKO 17mm F2.8" は、マイクロフォーサーズ規格を採用した OLYMPUS のマイクロ一眼1号機である、OLYMPUS "PEN" E-P1 に合わせて開発された単焦点のパンケーキレンズだ。ファインダーを内部に持たない OLYMPUS "PEN" E-P1 ではあるが、このレンズ専用に光学ビューファインダー "VF-1" が設定されているくらいの力の入れようだ。興味深いと感じたのは、E-P1 を特集したとあるムックに掲載されている開発チームのインタビューにある、以下の記述だ。

"M.ZUIKO 17mm F2.8" 専用の光学ビューファインダー "VF-1"
スナップに適した画角の単焦点レンズは、このカメラの趣味性を際だたせるために、どうしても必要だと思っていました。ズームレンズに慣れたお客様には、やや使いにくい面もあると思います。画角が変えられない部分を、撮影者が動いてカバーしなければなりませんから。でも、こう言ってしまうと何ですが、写真の愉しさはそういう不便さにもあると思うのです。
上記は二玄社発行のムック、"別冊CG・OLYMPUS PEN NAVI 〜オリンパス E-P1、マイクロ一眼の使い方〜" に掲載されていた開発チームの語った一文を引用したものだ (同誌74Pより) 。

別冊CG・OLYMPUS PEN NAVI 〜オリンパス E-P1、マイクロ一眼の使い方
確かにこの時代、コンパクトデジカメでも3倍程度のズームは標準で用意されているし、きっとちょっとカメラをいじるくらいの方ならズームを駆使して撮影に臨むことだろう。ちょっと本題とはずれてしまうが、デジカメ世代ではシャッターボタン半押しでのオートフォーカスはなかば常識と化していると言っても過言ではない。
では本題に戻ろう。
重要なのは、PEN の開発チームは、単焦点レンズは「不便」であることは承知の上で、「あえて」そのレンズを「真っ先に」用意してくれたことだ。
前からこのブログで書いている通り、僕は普段はこのパンケーキレンズと専用の光学ビューファインダーの組み合わせで PEN を持ち歩いている。そんな中で、このレンズを普段用いていると感じることが数多くある。確かに画角は自分で動かなければ調節できないし不便かもしれない。しかしそれ以上に、自分で動くことで画角を変えることができること自体に、開発チームの語るところの「趣味性」だろうか、独特な楽しみを見い出すことができていることも確かだ。また、外付けの光学ビューファインダーである VF-1 を取り付けることにより「ファインダーで構えて撮る」ことを実現出来ている点も実は楽しく感じている。確かに液晶モニタは便利ではあるが、それ以上に電源を入れていなくても、いつでもファインダーを覗けば構図を練ることができる光学ビューファインダーは、それだけでも使っていて楽しい。デジカメは常に電源を入れて持ち歩いているわけではないので、電源を入れていない状態でも構図を練ることができる光学ビューファインダーは気軽に目と頭の中だけでスナップのイメージを作り上げやすいし、それに対応したレンズであるパンケーキレンズがあることは心強い。


高級フィルムカメラ風を狙って革シールを貼ったモノ (左) と標準のモノ (右) の比較
(どちらもパンケーキレンズと光学ビューファインダーの一番お気に入りの組み合わせだ)
ただし言っておきたいことは、ズームレンズは不要であると言うことではない。普段、手軽に持ち歩きたい時なんかは単焦点レンズ、必要に応じてズームレンズを取り付けられることに意味があるのだ。実際に、前回のエントリで書いた通り10倍ズームレンズは欲しいと思っている。だが僕自身、このカメラを購入前はこんなに単焦点レンズや光学ビューファインダーを多用するとは感じていなかった。IXY DIGITAL を使っていた時に、やはり手軽にズームを多用していたし、液晶モニタで構図を構えていたからだ。しかしどうやら僕は、開発チームの意図する通りの楽しみ方を感じてしまっているらしい。パンケーキレンズと光学ビューファインダーを取り付けたカメラを肩からぶら下げ、何気ない日常の一コマを切り取るために散歩する。こんな使い方こそが「日常的な趣味」としてのカメラであり、OLYMPUS "PEN" E-P1 の開発チームのまさに意図していたところなのかもしれない。



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